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六重奏曲作品81bは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した、2本のホルンと弦楽四重奏のための室内楽曲である。 1795年頃(1796年から1797年という説もある)に作曲されたベートーヴェン初期の作品であるが、出版年が1810年と遅いため、作品番号順では中期から後期の作品にあたる「81b」という番号が与えられている。作曲の詳細な経緯は不明だが、当時の手紙に「好評をもって迎えられた」とあることから、作曲者の存命中に演奏されたことは確かである。 ホルン2本と弦楽四重奏という編成はモーツァルトの『音楽の冗談』に近いが、ディヴェルティメントやセレナードのような娯楽目的の室内楽の趣は少なく、かといって同じベートーヴェンの弦楽四重奏曲のような緊密さ、緻密さは見られない。2本のホルンの響きを重視しながら相当な名人芸も要求する、一種の合奏協奏曲のような曲であるが、通常編成の協奏曲に組み込まれる木管楽器を欠いているため、華やかさや色彩的な響きはない。ブランデンブルク協奏曲第1番のような各楽器の対比の妙は味わえず、あくまでもホルンの響きを楽しむ曲となっている。 曲はホルン協奏曲のような趣きを持っており、ベートーヴェンの作品の中でも特異な存在である。弦楽器は伴奏に近い扱いで、終始2本のホルンによって曲が進行する。総譜の書法や曲の構成からも以下のような特徴が読み取れ、かなり協奏曲に近い作品であることがわかる。 *3楽章構成で終楽章はロンドとなっており、一般的な協奏曲の構成に一致する。 *ホルンの難易度は同じ作曲者の他の楽曲に比べて高い。金管楽器のバルブが発明される直前の作曲で、ナチュラルホルンのために書かれているが、ナチュラルホルンのストップ奏法では演奏の難しい音階・半音階を多用している。 *曲がフォルテの全合奏になる場合、ヴィオラとチェロがユニゾンでバスを歌うことが多く、明らかに2本のホルンの力強い響きを支えるためにバスを増強している。当時の一般的な管弦楽法では、ヴィオラに基本的に内声部を担当させ、チェロとコントラバスを重ねてバスを構成することが多いが、この曲のようにヴィオラ・チェロ(ここではコントラバスを欠いてはいるが)でバスを作るという書法は、ベートーヴェンの初期のピアノ協奏曲やモーツァルトの各種協奏曲の管弦楽法とよく似ている。 ==演奏困難なホルンパート== ホルンの難所が楽譜に散見される。現代のバルブ付きホルンを用いればストップ奏法に頼らずに音を出せるものの、演奏はあまり楽にならない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「六重奏曲 (ベートーヴェン)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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